遺言書と生前整理
<ご相談様の状況>
遺言書の作成を検討中のお客様がいらっしゃいました。
家族構成は奥様とお二人の息子さんがいらっしゃる方で、ご家族の仲も良く、ご自身に相続が発生しても何か心配事が起きるような状況ではなさそうでした。
しかし自分が先に亡くなり、その時に奥様が認知症になってしまっていたら相続が大変になるのではとご心配されており遺言書の作成を考えているとのことでした。
<当センターの対応>
お持ちの財産を始めご自身にその時がきたらどのようにして欲しいとお考えかを、まずは、お話をじっくりお伺いしました。
お持ちの不動産を確認していると、遺言書云々より生前に決着をつけるべき問題があることが判明しました。
ご実家の不動産について、妹さんと揉めて法定相続分でそれぞれの持分を所有したままになっておりました。
ご自身もこの問題を気にはしていたようですが、遺言書で妹さんにご自身の持分を譲ると一筆かいておけば問題ないだろうと思っているとのことでした。
本来、亡くなった方の財産は相続人でないと相続できませんが、正しい遺言書があればご自身の財産を相続人でない方に取得してもらうことができます。
(妹さんは相談者様の相続人ではないので、相談者様に相続が発生した場合、遺言書が無いとご実家の持分は相談者様の奥様かお子さんが相続することになります)
しかし今回の場合、遺言書を作成し相談者様のご実家の不動産の持分を妹さんが取得する権利を得たとしても登記の手続きをしてくれるとは限りません。
もし手続きをしないまま妹さんが亡くなってしまえば、妹さんの相続人が手続きをしてくれないと名義は今回の相談者様になったままの状態になってしまいます。
一度は揉めてご実家の不動産を譲る気は無かったご相談者様でしたが、時が経ち気持ちも落ち着き、ご実家の不動産はすべて妹さんに相続してもらえば良かったと考えが変わっておりましたので、そうであればお互いお元気な内にご自身の考えを話し、生前に解決できるのであればその方向で動いてみてはどうかとなりました。
そしてその問題が解決してから遺言書の作成に移ることとなりました。
<結果>
数か月後、ご相談者様から連絡がありました。
「何年も連絡をとっていなかった妹に勇気をだして連絡をした所、会うことになった。妹もOKしてくれそうなので手続きが終わったら遺言書の作成に移りたいのでまた連絡します。」という連絡でした。
まだ遺言書の作成には取り掛かっていないので実際に弊社でお手伝いをした訳ではありませんが、
生前にやっておくべきことができ、何より長年心に引っかかっていたものが解決できたと大変喜んでいただけました。
弊社は会計事務所ですので揉め事の間に入ったり、両者の間を取り持つことはできませんが、ご相談者様がどんな問題を抱えており、何が一番の心配事なのかをお伺いできたことで解決への第一歩を進ことができました。
相続に関する心配事があればぜひ弊社へご相談下さい。
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- 忙しい日々ですが、何事も早めに準備することが大切です。 わからないことが出てきたら迷わず、専門家の力を借りることが解決の近道だと思います。